傍目八目

日々の思いをつらつらと

好きな詩


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石原吉郎(1915~1977)

「泣きたいやつ」

 

おれよりも泣きたいやつが

おれのなかにいて

自分の足首を自分の手で

しっかりつかまえて

はなさないのだ

おれよりも泣きたいやつが

おれのなかにいて

涙をこぼすのは

いつもおれだ

おれよりも泣きたいやつが

泣きもしないのに

おれが泣いても

どうなりもせぬ

おれより泣きたいやつを

ぶって泣かそうと

ごろごろたたみを

ころげてみるが

おいおい泣き出すのは

きまっておれだ

日はとっぷりと

軒先で昏れ

おれははみでて

ころげおちる

泣きながら縁先を

ころげてはおちる

 

泣いてくれえ

泣いてくれえ

 

 

 

島崎藤村(1872~1943)

「椰子の実」

 

名も知らぬ遠き島より

流れ寄る椰子の実一つ

 

故郷の岸を離れて

汝はそも波に幾月

 

旧の樹は生ひや茂れる

枝はなほ影をやなせる

 

われもまた渚を枕

弧身の浮寝の旅ぞ

 

実をとりて胸にあつめれば

新なり流離の憂

 

海の日の沈むを見れば

滾り落つ異郷の涙

 

思ひやる八重の潮々

いづれの日にか国に帰らん

 

 

 

 

江國香織(1964~ )

「あたしはリップクリームになって」

 

あたしはリップクリームになって

あなたのくちびるをまもりたい

日ざしからも寒さからも乾燥からも

あなたのつまのくちびるからも

 

 

「そこにいなさい」

 

飼い慣らされた男なんてきらい

門限のある男なんて大きらい

あたしは一人で旅にでるよ

どこまでもいくよ

山も海も砂漠もこえて

子供の頃みたいに決然と

だれ一人信じるものか、と、思いながら

どこまでもいくよ

おいかけてもむだだよ

あなたのあのうつくしくかたちのいい腕は

ぜんぜん届かない

そんな場所からじゃね

あなたのあの力強く澄んだ目も

ぜんぜん役に立たない

そんな場所にいちゃあね

飼い慣らされた男なんてきらい

門限のある男なんて大きらい

あなたがそんな場所にいるあいだに

あたしは地球を4周もしちゃったよ

 


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いつかの函館五稜郭。桜を見に行って、まだ早くて、、松前まで足をのばして。

なんだって、私はせっかち。

五稜郭を見下ろせるタワーに上って、パチリしたはず。

 

雪まつり期間の観光客は、昨年のデータでは250万人をこえたらしい。

人口をこえる人が集まるわけで、街中は混雑している。

なぜか話し掛けられて、、。

カナダからの人が、一人で来たとかで、

ラーメンの美味しいお店を教えてほしいと。

ラーメン屋さんは、私が一番苦手な場所で、

一緒に歩いていた相棒に振る。

味噌ラーメンのお店と、豚骨スープのお店と、海老出汁スープのお店を、教えてあげていた。

英会話だけでなく、彼は、パッパと地図を雪がボタボタ振る中で書いてあげて、

 

いいとこあるなぁと。

私は寒くて、手袋すら脱ぎたくなくて、雪像スマホで撮す気力もないのに。

 

あなた、えらいのね!

あなた、私には憎まれ口ばかりなのに、

他の人には優しいのね!

 

研究者肌の彼は、しばし照れながらも、

得意満面の表情で。

 

小さな親切ですね。人間は人のために何かをすることは、嬉しいことなのかも、幸せなことなのかも。

人のために何かを出来るということは。

 

 

気温がぐっと下がってきたので、今夜から明日は、相当に寒いかも。ですね。