傍目八目

日々の思いをつらつらと

桜木紫乃を読む


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白樺の木。冬も夏も気品ある美しい木。

か弱そうに見えて、とても強い。毎日が氷点下の酷寒の地にあって、手入れをせずとも、生きて、生き抜く強さがある木。

 

 


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酷寒とか氷点下とか思い描くと思い出すのは、桜木紫乃さんの作品。

桜木紫乃さんは、北海道の東に位置する釧路市の出身で、作品は全部、北海道を舞台にして書かれています。

北海道の土地は広く、アメリカ感覚で、同じ北海道の中を飛行機を使って移動することもあるくらいなので、北海道でも南に位置する函館と、北に位置する稚内では、まるで気候風土が違い、国後択捉島を臨める東方面もまた、相当に違いがあります。年間を通しての気温、桜の開花時期なども随分と違います。

 

釧路という町は、私は住んだことがなく、殆ど知らないのですが、何度か訪れてみて、

霧の町、じっとり寒い町、夏でも長袖の町、そんなイメージを持っています。

 

人通りが少ない町を一人歩いてみると、

昔、栄えた港町、石川啄木が住んだ街、いつか、作家の原田康子さんが住んだ町、そこで、『挽歌』は生れたのだと。私は『挽歌』を読み、釧路という町を感じてみたいと訪れてみたのですが。

 

何か湿潤でありながら、からっとした、じめじめしない人間性も感じられる町。

 

原田康子さんの『挽歌』に多大な影響を受けたという桜木紫乃さん。

作風は全く違い、桜木紫乃さんは性愛小説家、官能小説家とされています。

ホテルローヤル』で、2013年に直木賞を授賞。地味に書き続けていた桜木紫乃さんが急に注目され始めますが、2人のお子さんの子育てをしながら、舞い上がることなく、北海道に根をおろし、着実な暮しを続けます。

 

そのような面も、私は良いなぁと思うのですが。

ぶれない生き方。

 

桜木紫乃さんの釧路の実家は、作品のタイトルと同じ、

ホテルローヤルというラブホテルを経営していたらしく、中学生の頃からホテルの後片づけの手伝いをしていたとか。趣味は、ストリップ劇場を観ることらしく。

なにか、とても性に対してオープンです。

そのせいか、作品は、性愛小説とか官能小説とか云われていても、さらっとしています。ねちねち、ベタベタ、イヤらしい感じがないので、、読みやすい。

 

男性が書いたものではなく、女性の視点で書かれているので、女性が読んでも納得しやすい、文章そのものが、解りやすい表現で書かれているなど、ファンは多い作家さんでしょう。

 

私も『ホテルローヤル』の他に、3作品ほど読みましたが、写真の『蛇行する月』が、今のところは、一番好きな作品です。

 

2013年の作品ですので、現在53才の桜木紫乃さんにとって50近くになっての作品で、官能とか性愛感は少なく、ヒューマンな作品ではないかと私は思うのですが。

 

6作の連作短篇集。6人の女性がそれぞれ主人公になっています。

そして、波乱万丈、自由、自分勝手とも思える順子という女性が6作全てに、何かのかたちで登場するのも、面白い構成になっています。

同じ高校の仲間が、それぞれどのように変化していくか。女の子は、ちょうど高校生くらいが思春期でもあり変化していく時期です。

男性とも、かかわっていく時期ですから、

そこで、人生の進む道が大きく分かれていきます。

 

同じ高校の仲間にその母親もからまり、自由に激しく恋愛する仲間を否定しながらも、羨望し。

幸せは自分でみつけるもの、

幸せか不幸かは、他人ではなく、自分が決めること。

 

この文庫は、本屋さんで、買おうか、買うまいか、ちらと迷ったのですが、帯に書かれてある言葉に興味が刺激されて買ったように覚えています。

 

🎵🎵 ラストの四行は、世界にごまんとある小説の中で、もっとも力強さに満ちたものだと思う🎵

 

読後、、同感でした。

 

もっとも力強さに満ちたものでした。

 

ラスト四行。