日々の思い

日々の思いを

創作 「 坂道 」


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坂のある風景は落ち着く、坂道が好き

ゆっくりゆっくり登りたい。

 

とか、のんびり言っていたいところだけれど、なかなかそのような余裕はなく、

せっせせっせと、せっかちに登る。

でも、どのような理由か坂のある風景が好きで、坂の登りつめたところに建ったマンションを買った。

私の隠れ屋として。

坂道のある風景は好き。なぜか落ち着くので。

 

坂道を登っていて、長い坂道を下りてくる二人連れの人とすれ違い、

すれ違いざまに、あらっ!と。

 

家族ぐるみのお付きあいがある人で、さっと顔の表情が変わって、

 

変わったのはあちら側。

無言ですれ違う。

ウソが付けない人っている。

正直で真面目で。

父の会社に勤めている人、

奥様も成人した息子さんも、よく遊びに来る。

 

若い女性と一緒だった。

そっと振り向いた私。

坂の途中、、あの二人が出てきた

路地の先にはホテルが。

 

ビジネスホテルでもなく、観光客のためのホテルでもなくて。

古い住宅を改装したホテルで。

愛の為のホテル。

 

一緒の女性は、娘さんほどの若い人。

 

私は、両親にも、彼の奥様にも、

 

言わずにおく。

ひとつ秘密を持ってしまったような罪悪感はなんだろうか。



(  創作  「そよ風のしっぽ」  番外編  )