日々の思い

日々の思いを

なかなか、いいなぁ!


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初版は昭和56年、

版を重ねて改版18版平成28年発行。

寺山修司少女詩集』

裏表紙にありますが、

少女の心と瞳がとらえた愛のイメージを、

詩人・寺山修司が豊かな感性と華麗なレトリックで織りなすオリジナル詩集。  です。

 

以下、良いと感じた詩を抜粋。

 

 

⭐️  「少年時代」

 

長靴をはいた猫と

ぼくとが

はじめて出会ったのは

書物の森のなかだった

 

長靴をはいた猫は

ぼくに煙草をおしえてくれた

ちょっといじわるで

いいやつだった

 

長靴をはいた猫と

わかれたのは

木の葉散る

秋という名のカフェ

 

その日

ぼくは

はじめて恋を知った

 

人生はじまる前と

人生のはじまったあと

そのあいだのドアを

すばやく駆けぬけようとした

ぼくの

長靴をはいた猫は

いまどこにいるか?

 

 

 

 

⭐️  「かなしくなったときは」

 

かなしくなったときは

海をみにいく

 

古本屋のかえりも

海を見にゆく

 

あなたが病気なら

海を見にゆく

 

こころ貧しい朝も

海を見にゆく

 

ああ   海よ

大きな肩とひろい胸よ

 

どんなつらい朝も

どんなむごい夜も

いつかは終る

 

人生はいつか終るが

海だけは終わらないのだ

 

かなしくなったときは

海を見にゆく

 

一人ぼっちの夜も

海を見にゆく

 

 

 

⭐️  「半分愛して」

 

半分愛してください

のこりの半分で

だまって海を見ていたいのです

 

半分愛してください

のこりの半分で

人生を考えてみたいのです

 

 

⭐️    「髪」

 

髪は一すじの地平線である

それは瞑想と眠りとをわかつ

 

髪は心の旅路である

母のない子が指に巻いてその旅路のはるかさをはかった

 

髪は禁じられた情欲のしるしである

水のなかで洗われるのが好きだ

 

髪はわたしと共にのび

わたしを追いこすことのない従順

 

髪はかなしい一家の歴史の終局である

 

わたしの机の抽出しに

死んだ母の遺髪が

今もしまってある

 

 

作者が15才のときに作った短歌

「  海を知らぬ少女の前に

      麦藁帽のわれは両手をひろげていたり」

 

作者は海が好きだったのでしょう。

作品の中に、海という字が沢山出てきます。

 

私も、海が好き。海の匂いも好き。

荒々しい海も、凪いだ海も、眺めているだけであれば、好きです。